こんにちは、桐花です。
ある日ふと、人間を描くときに
腰の部分をなんとなく描いてることに気が付きました。
確かに上半身に脚を生やせばなんとかなるかもしれませんが、
座るポーズなどには応用ができませんよね。
初心者向けの技法書には「上半身の描き方」「下半身の描き方」は載っていても、腰の描き方を深掘りした本って少ないです。
難しい部位は、リアルに忠実に描けるほど
魅力がぐっと上がります。
ということで以下に備忘録として記します。
そもそも脚の構造とは
デフォルメした「歯」みたいな形の骨盤に
脚の骨が刺さっています。
脚の骨の出っ張った部分を「大転子」といい、
これが腰を描く上で重要な目印になります。
ちなみにこの大転子の出っ張りは下半身太りにも関係してくるそうで
私は大転子が心の底から憎いです。
男女の違い
男女は骨盤に差があります。
根本的な形は同じですが、
女性は出産のために骨盤が広がっています。
この違いによって、男女のお尻の描き方にも違いが生まれます。
腰の筋肉
骨盤と脚を繋ぐ筋肉の話をします。
①骨盤の先端〜脚を繋ぐ筋肉=大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)
②骨盤〜大転子(脚の骨)を繋ぐ筋肉=中臀筋(ちゅうでんきん)
この二つの筋肉が、骨盤と腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)を繋ぐように存在します。
腸脛靭帯とは太腿の側面に存在する大きな組織で、お尻の筋肉とも繋がっています。
「縫工筋」という筋肉と先の①②の筋肉の間に潜り込むように存在する
3つの筋肉がいわゆる前ももの筋肉(大腿四頭筋)を形成しています。
*筋肉は細かく分かれているので、大腿四頭筋のように何個かまとめたひとかたまり(郡)としての呼び名があります。
それを靭帯が覆いまとめているようなイメージです。
お尻の筋肉
次に、お尻の筋肉を考えます。
お尻の大きな筋肉は「大臀筋」と言います。
大臀筋も先ほどの「腸脛靭帯」にくっついていて、
脚の後ろの筋肉を覆っています。
脚の筋肉の詳しい話は今回はしませんが、
裏ももの筋肉はお尻の筋肉から潜り込むように出て来るイメージです。
骨盤の傾き
体育座りをしたとき、骨盤はどちらに傾くと思いますか?
正解は、後ろに傾きます。
猫背や体育座りのとき骨盤は後ろに傾きます。
逆に骨盤が前に傾くのは所謂「反り腰」の状態です。
背骨まで一緒に考えるとわかりやすいです。
ポーズを考える
これまでの知識を総動員してポーズを考えてみます。
単純な考え方
毎回こんなことを考えていたら頭が痛くなってしまいそうなので、
もっとわかりやすい目安を探しました。
腰回りの骨盤の線を境目に、足とお尻を描く方法です。
(1)腰の目安の線を描く
(2)腰の線を目安に、脚の骨をつける
(3)お尻を繋げる
この方が単純でいいですね。
ただしこれまでの骨や筋肉の知識があってこその単純化なので、
ここまでの作業も無駄では無かったと思います。
以上が腰の描き方研究結果でした。
今回も「スカルプターのための美術解剖学」に大変お世話になりました。
筋肉は複雑で、間違っているところもあるかもしれません。
参考程度に楽しんで読んでいただけたなら幸いです。